ジャムと愉快な仲間たち(0名)

ジャムが数学とかを熱く語ります。

【中学数学】数列でつくってあそぼ(黄金比編)

好きな言葉は「近似」。どうもこんにちは、ジャムです。


今回は前回の最後に予告したとおり、「フィボナッチ・トリボナッチ数列」

を紹介していきたいと思います。

数列の記事なのにタイトルの黄金比とは何事だ、と思った人もいるかも知れません。

しかし、今回紹介するフィボナッチ数列

黄金比と切っても切れない重要な関係を持っているのです。

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wikiより

ということで今回は、フィボナッチ数列黄金比をメインに、

トリボナッチ数列おまけ程度に紹介していきます!


                 目次

フィボナッチ数列

フィボナッチ数列という変わった名前に驚いた人も多いことでしょう。

実は、この数列の発見者はレオナルド・フィボナッチという

イタリアの数学者なのです。

そんなフィボナッチ数列の説明をまずはしていきます!

フィボナッチ数列とは

今までに紹介してきた等差数列階差数列というのは、

数列の種類を表す言葉でした。

しかし、フィボナッチ数列は数列の種類ではなく、

たった1つの数列に名前がついているものです。

まずはそのフィボナッチ数列をご覧ください。

0,1,1,2,3,5,8,13,21...

一見不規則にも見えますが、実は面白い規則性があります。

少し考えてみてください。



わかりましたか?

実はこの数列、項の数字がその前の2つの項の合計となっているのです。

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なんか意外な数列だと思います。

ちなみにこの数列は階差数列でも等差数列でもありません。

確かめれば分かるのですが、

項の差をとっても永遠に等差数列になることはありません。

では、数列の説明はこれぐらいにして、

黄金比との関係を見ていきましょう!

フィボナッチ数列黄金比

黄金比は昔から美しい比率として知られてきた比です。

そんな比率とフィボナッチ数列との関係を知るには、

フィボナッチ数列の項の前後比に着目してみるのです。

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よく見てみると、前後比は段々と1.6という数字に近づいていますね。

ここで、この数列を無限に続ければいつか1つの値に定まるのではないか、

と考えるのです。

その特定の値xとおいてみましょう。

\frac{F_{n+1}}{F_n}=x
F_nフィボナッチ数列n項目の数字。

このn無限にフィボナッチ数列を続けたときの項です。

(説明ヘタクソです....)

前後比ですから後の項の数字/前の項の数字ですよ!

さて、ここでフィボナッチ数列の約束を思い出してください。

フィボナッチ数列項の数字は前の2つの項の数字の合計ですよね?

するとこの式はこんなふうに変形できます!

\frac{F_{n}+F_{n-1}}{F_n}=x

すると、\frac{F_n}{F_n}の部分を約分して1とできますよね?

1+\frac{F_{n-1}}{F_n}=x

↑ちょっと工夫をして変形するとこんな式になります。

実は\frac{F_{n-1}}{F_n}というのは前の項の数字/後の項の数字ですから、

前後比の逆数、すなわちx逆数なんです。

※ここで、
 無限回続けたのに一項戻ったら無限じゃないんじゃない?
 と思った人もいることでしょう。
 実は、無限回数列を続けた場合、
 たとえそこから1項(厳密には有限数項)戻しても
 それもまた無限回数列を続けたことになります
 (簡単に言えば、\infty-1=\infty)。
 そのため、今回の場合無限に数列を続けると
 一定の値に定まる前後比の値も
 1項戻した程度では変わりません!

 (これを理解してくれる人が何人いるだろう...)

ということは、方程式がこんなふうになりますよね?

1+\frac{1}{x}=x
\Leftrightarrow x^{2}-x-1=0

はい、出ました!2次方程式です。

ここまでくれば中学生でも解ける形式です。

では、解の公式を利用して解いてみましょう。

すると・・・

x=\frac{1\pm\sqrt{5}}{2}
xは"前後比"なので、
x=\frac{1+\sqrt{5}}{2}

はい、これがフィボナッチ数列を無限に続けた時の前後比です!

これの値を求めると予想通り、

1.61801...という1.6に近い数字になります。

実はこの値こそ美しい比率、黄金比なのです。

(厳密には、1:1.61803...のことを黄金比という。)

これこそフィボナッチ数列黄金比の関係。

わかっていただけたでしょうか?

余談:黄金比に騙されるな!

※ここからは完全に余談ですので、
 あまり見る気がなければ次の項目へとお進みください。

さて、ここまで紹介してきた黄金比ですが、

しばしばこの比率は誤解を生んでいます。

例えばこちらの画像。

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wiki参照

これはオウムガイの貝の写真なのですが、

しばしばこの貝殻の螺旋が黄金比となっている、と言う人がいます。

しかし、それは完全に嘘の情報です。

オウムガイの例もそうですが、

このように何でもかんでも黄金比に結びつける

インチキ数学のようなものも存在しています。

また、黄金比を使って(悪用して)人を騙して商売をしたりするような

悪い人たちもこの世にはたくさんいます。

ですからみなさん、くれぐれも黄金比のインチキには

騙されないでくださいね!

トリボナッチ数列

名前からして変な数列ですが、フィボナッチ数列の仲間です!

どうか仲良くしてやってください!

トリボナッチ数列とは

トリボナッチ数列は簡単に言えば

フィボナッチ数列拡張したものです。

では、トリボナッチ数列はどのような数列なのかというと、

0,0,1,1,2,4,7,13,24...

フィボナッチ数列を見てきた皆さんにはもうおわかりですね?

そうです、トリボナッチ数列とは、

項の数字がその前の3つの項の数字の合計となっている数列です!

しかし、この数列はフィボナッチ数列

無理やり拡張したものに過ぎないので、

黄金比みたいなすごい比率との関わりはありません。

(まあトリボナッチ定数はあるけどさ.....)

トリボナッチ数列の"変な名前"の理由

これもあまり数列とは関係ないお話になってしまいます....

トリボナッチ数列と言う名前の由来ですが、

決してトリボナッチという人がいるわけではありません。

実はトリボナッチの"tri"とは3を表す接頭辞なんです。

それをフィボナッチ(人名)にくっつけたのがトリボナッチというわけです。

みなさん、人名に3をくっつけるというのはいかがなものか...

と思いません?

まとめ

黄金比に夢中になりすぎて、

記事がまあまあな量になってしまいました....

それに対するトリボナッチ数列の量が少なすぎて自分でもびっくりです。

これで4つの数列はすべて紹介し終わりました!

だから次回からはまた新しいネタ考えなきゃだめじゃねーか!

お疲れ様でした!

それでは!