ジャムと愉快な仲間たち(0名)

ジャムが数学とかを熱く語ります。

【円周率】モンテ・カルロ法で確率と円周率を繋ぐ

好きな言葉は「漸近」。どうもこんにちは、ジャムです。

今回は円周率の話をしようと思ったのですが、

ある致命的な大ミスをしてしまいました...


それは・・・


円周率の日を過ぎてしまったことだ!

世がホワイトデーなどと言っている間に円周率の日が過ぎ去ってしまいました。

なんかとても時期外れのような気もしますが、

確率で円周率を求めるモンテ・カルロ法」について取り上げていきます。

f:id:jamjam1229:20190319051942p:plain:w500




                 目次

モンテ・カルロ法の本質

モンテカルロ法は先程の通り確率円周率を求める方法なのですが、

どのように求めるのか、ということを説明していきたいと思います。

円にボールを投げる

突然ですがジャム君は道を歩いていたところ、

2m四方の正方形とそれに内接する円を発見しました。

f:id:jamjam1229:20190319045852p:plain

ジャム君は何を思ったか、持っていたボールを

正方形の中に絶対当たるように投げることにしました。

そのとき、ボールが円の内部(円周含む)に当たる確率はどれくらい?

そう、これがモンテ・カルロ重要な部分です。

この話をもとにモンテ・カルロがどのようなものなのか

説明していきます。

まず、ジャム君のボールは百発百中で正方形の中に入りますから、

正方形の内部にボールが当たる確率を1とします。

ジャムくんは無造作にボールを投げるので、

円の中にボールが当たることもあれば、当たらないこともあります。

当然面積が大きいほどボールは当たりやすくなっています。

もし円の面積が正方形の面積の半分を占めていたら、

円の中に当たる確率は\frac{1}{2}となり、

100回ボールを投げたら50回は円の中に入ります。

f:id:jamjam1229:20190319040948p:plain

これはつまり、ボールをM回投げたとき、

P\fallingdotseq\frac{N}{M}\fallingdotseq\frac{T}{S}
Pはボールが円の中に入る確率、Nは円にボールが入った回数、Mはボールを投げた回数
Tは円の面積、Sは正方形の面積

が、成り立つことになります。

これは直感的にもわかりやすいと思います。

これは、

「正方形の右端からx方向に1cm、
y方向に0.5mmズレた地点に当たる確率....」

などと、場合分けすることが好ましく無いので面積を用いているのです。

立式をしよう

ここで中学1年生で習う円の面積の公式を思い出してください。

当然円の面積は\pi r^{2}となりますよね。

(この公式は円周率の値の一切を知らなくても導出できます。)

今回正方形は2m四方なので、円の半径は1m

すなわち円の面積は\pi㎡となりますね。

正方形の面積は2m四方なので4㎡となりますね。

つまり、これらを先程の式に当てはめてみれば、

\frac{N}{M}\fallingdotseq\frac{\pi}{4}

となるので、両辺を4倍して、

\frac{4N}{M}\fallingdotseq\pi

となります。

すなわち、ボールを投げていったとき、

ボールが円に入る割合に4を掛ければ円周率となるわけです!

(※確率なので、多くボールを投げればその分精度が良くなります。)

実際にやってみよう!

では、説明だけでは本当かどうかわからないので、

実際にやってみましょう!

では、ボールを用意してくだs....


って、そんなことしないよ(笑)


流石に実際にボールを投げたりはしません。

なぜなら、問題点がありすぎてできないからです。

(そもそもそんな正方形描けない、

収束率悪すぎ、ジャムは運動ができないetc...)



そして、こういうときに便利なのがコンピュータです。

プログラミングをして実験をしてみたのでご覧ください。

(今回は、どのような条件で円に入ったことになるのか、
具体的にどのようにプログラムをしているのかなどは説明しません。
ご了承ください。 )

プログラムを動かして確認

まずはボールを100回投げたときから。

ボールを投げる回数:100.0
算出結果:3.16
誤差:0.018407346410207026
かかった時間:0ミリ秒

100回投げた程度ではこんなもんでしょう。

まだ3.14の値さえ出ていません。

次は飛んで10000回投げてみましょう!

ボールを投げる回数:10000.0
算出結果:3.1424
誤差:8.07346410206744E-4
かかった時間:0ミリ秒

なんと10000回投げてやっと3.14の値が見えてきました。

次は大きく飛んで10億回投げていきましょう。

(このあたりになってくると処理に時間がかかってきます。)

ボールを投げる回数:1.0E9
算出結果:3.141545676
誤差:-4.697758979332889E-5
かかった時間:42649ミリ秒

な、な、なんと、10億回も投げたのに正しいのは3.1415まで・・・

なんて効率が悪い・・・

と、言うことは置いといて、円周率の値が出たではありませんか!

ただ、もうお気づきの方も居ると思いますが、

大きな欠点があるんですこれ。

モンテ・カルロ法の欠点

先程実際にプログラミングしてみた結果から分かると思いますが、

めちゃくちゃ収束率が悪いです。


実は現在円周率は31兆4千億桁(2019年3月14日更新)まで

求められていますが、

この方法で求められるのは10億回試行してたった4桁です。

小数の精度など諸々あると思いますが、精度が悪すぎるのは確かです。

確率を用いる方法である以上これは仕方ない気もしますね。

まとめ

実は、モンテ・カルロ法はプログラミング数学

結びつけるだったりします。

もともと円周率を求めるためのものではなく、

確かにそうなるよね、

という理解を深めるためのものですから、

精度が悪いのはある意味仕様なのかもしれません。

それに関連して、私のブログ更新が遅いのも仕様です。(無関係)

それでは!

【数学】三角形の内角の和は270°!?

好きな言葉は「全単射」。どうもこんにちは、ジャムです。


3日間ブログを更新していませんでしたね、すみません。

突然ですが皆さん、三角形の内角の和何度か分かりますか?



そりゃあみなさん、当たり前ですよね。


270°ですよねぇ!?

という冗談はさておき、

みなさんが知っている三角形の内角の和は180°ですよね。

(中には270°の変態もいるかも知れない...)

平面上であればどう頑張ってもそうなりますから。

でも実は内角の和が270°の三角形が「存在しない」

と言えば噓になります。

今回はどうすれば270°の三角形が存在できるのかを

紹介して行きたいと思います!

f:id:jamjam1229:20190313051812p:plain
wiki参照 実は今回の記事に関係している....




                 目次

ユークリッド幾何学とは?

いきなり難しい単語が出てきたと焦る必要はありません。

これはとても簡単な言葉で表すことができます。

それは、

"小中高では習わない、一風変わった図形の学問"

です。(アバウト過ぎるかな)

詳しく言えば"曲面を取り扱う幾何学"です。

それが今回の"270°の三角形"と関係しているのです。

実はこの幾何学地球という"球"と共に発展してきた経緯があります。

ですから今回は地球の例で説明を進めていきます!

しかし一つ断っておきたいのが、だからといって270°の三角形は

本来の意味での三角形とは呼べないということです。

ですから、三角形と言えば内角の和が180°であるものの事なので、

270°の三角形が本当の三角形かといえば答えはNoでしょう。

180°じゃない三角形

まずはこちらをご覧ください。

f:id:jamjam1229:20190313034807p:plain

普通の三角形ですね。

これが三角形以外に見えた人はコメントください。

これは言うまでも無く、内角の和は180°です。

しかし、これではどうでしょう。

f:id:jamjam1229:20190313035840p:plain
地図はwikiから

メルカトル図法で描かれた地図に3本の直線がありますね。

これは先程とは違い、

三角形はおろか、図形にさえ見えないと思います。

図形はで囲まれている必要がありますから。

でも、よく考えてみてください。

日本の京都に住んでいるジャム君がそこからまっすぐ北に進み、

アメリカのニューヨークに住んでいるジム君も

まっすぐ北に進んだとすれば、

二人はどこで出会いますかね?(すれ違うことはないとする)

恐らく方位の精度が十分良ければ二人は北極でばったり出会うでしょう。

まっすぐ北にというのがミソで、実は直線を表しています。

地球儀を見たことがある人なら分かると思いますが、

緯線は全て一点、北極、南極に集まっていますよね。

つまり何が言いたいか。それは、地球のような球面では、

上の画像ように本来交わっていないように見える直線も交わってしまうということです。

実際2つの直線AB,ACは北極で交わっているのです。

メルカトル図法だとわかりにくですが、

地球儀に描いてみるとちゃんと交わります。

(イラストはありませんが、頭の中で思い描いてください)

そのとき地球を外から見てみると三角形ができていることが分かります。

しかし角度を測ってみると、上の場合は

ABとBCが垂直に交わり、ACとBCが垂直に交わっている他、

ABとACも経度の差から90°で交わっていることがわかります。

すなわち、これは内角の和が270°の三角形なのです。

今回はたまたま経度の差が90°でしたのでこのような内角の和になりましたが、

他にも様々な角度で三角形を作ることができます!

例題

例題と言うほどの例題ではありませんが、よかったら解いてみてください!

日本の八郎潟(東経140°,北緯40°)をA地点、
アメリカのコロラド州デンバー近辺(西経105°,北緯40°)をB地点とし、
北極とA,B地点をそれぞれ結ぶとき、できた三角形の内角の和を求めよ。

まとめ

今回の内容はかなりありきたりな内容だったかなと思います。

説明に地球の画像を引用しようと思ったのですが、

いい画像が無かったので言葉だけの説明になってしまいました。

分かりづらかったと思いますが、閲覧頂きありがとうございます。

それでは!

【中学数学】倍数判定法とその証明

好きな言葉は「可換」。どうもこんにちは、ジャムです。


今回は倍数判定法について取り扱って行きたいと思います。

一見倍数判定法はあまり応用が効かなそうな気がしますが、

確率組み合わせの分野で大いに力を発揮します。

今回は特に重要な倍数判定法を紹介していきたいと思います!




                 目次

主要な倍数判定法

倍数判定法は実際にその数で割るよりはるかに速く

その数の倍数であるかを判別することができます。

主要なものから順に紹介したいと思います。

2の倍数

2の倍数に関してはほとんど明らかなことです。

一の位が二の倍数であればその数は二の倍数となります。

直感的に理解することも容易ですが、他の倍数の場合にも使える証明を紹介します。

証明

5桁の整数の一万の位から一の位までを順にa,b,c,d,eと置いたとき、
その整数は10000a+1000b+100c+10d+eと表すことができる。
式を変形し、2(5000a+500b+50c+5d)+e
2(5000a+500b+50c+5d)は2の倍数であるから、e(一の位)が
2の倍数であれば、5桁の整数は2の倍数である。

上の証明のやり方は他の倍数判定法にも応用できます。

すなわち、ある数がnの倍数であるかを判定したい場合には

ある数をnでくくることをすれば証明可能です。

3の倍数

3の倍数は先程のように1の位だけを見ても判別することはできません。

先程の証明を使って解説していきます。

証明

10000a+1000b+100c+10d+e
= 3(3333a+333b+33c+3d)+a+b+c+d+e
3(3333a+333b+33c+3d)は3の倍数であるから、 a+b+c+d+e(各位の和)が3の倍数であれば、5桁の整数は3の倍数である。

上の証明から、3の倍数の判定法は、

各位の数字の和をとったときそれが3の倍数になっているか、です。

直感的に理解しづらいので、証明と判定法を合わせて覚えましょう。

4の倍数

4の倍数はその数の下2桁が4の倍数であればその数は4の倍数です。

証明

10000a+1000b+100c+10d+e
= 4(2500a+250b+25c)+10d+e
4(2500a+250b+25c)は4の倍数であるから、10d+e(下二桁)が
4の倍数であれば、5桁の整数は4の倍数である。

5の倍数

その数の1の位の数字が5の倍数であればその数は5の倍数です。

証明

10000a+1000b+100c+10d+e
= 5(2000a+200b+20c+2d)+e
4(2500a+250b+25c)は5の倍数であるから、e(1の位)が
5の倍数であれば、5桁の整数は5の倍数である。

8の倍数

その数の下三桁が8の倍数であればその数は8の倍数です。

証明

10000a+1000b+100c+10d+e
= 8(1250a+125b)+100c+10d+e
8(1250a+125b)は8の倍数であるから、100c+10d+e(下三桁)が
8の倍数であれば、5桁の整数は8の倍数である。

9の倍数

その数の各位の数字の和をとったときそれが9の倍数になっていれば、

その数は9の倍数です。

証明

10000a+1000b+100c+10d+e
= 9(1111a+111b+11c+d)+a+b+c+d+e
9(1111a+111b+11c+d)は9の倍数であるから、a+b+c+d+e(各位の和)が
9の倍数であれば、5桁の整数は9の倍数である。

例題

例題を2問作ってみたので、解いてみてください!

例題1

5桁の数が11の倍数であるかの判定法を示し、 それを証明せよ。

例題2

1,2,3,4の数字が描かれたカードがそれぞれ1枚ずつあり、 これらを使って四桁の整数を作るとき、次の問に答えよ。

(1)できた4桁の整数が2の倍数である確率を求めよ。

(2)できた4桁の整数が3の倍数である確率を求めよ。

前回の例題の答え

3/7の例題

\frac{5\sqrt{5}}{4}

3/8の例題

4時21\frac{9}{11}

まとめ

今回時間があまり無かったため、

少し記事の内容が薄くなってしまいました。

倍数判定法は他にもあるのですが、得に重要なものを紹介しました。

では、次回またお会いしましょう。

それでは!

【算数】時計の針が重なる瞬間を見よう!

好きな言葉は「順列」。どうもこんにちは、ジャムです。


今回の話題は時計に関する話題です。

f:id:jamjam1229:20190308044227p:plain
wiki参照

みなさん、時計の針が重なったときって見たことありますか?

恐らく殆どの方が目にしたことがあると思います。

しかし、狙って時計の針が重なるところを見た人は少ないでしょう。

でも、今回紹介する計算をすれば、

毎時間時計の針が重なる瞬間を目撃できますよ!(無益)

まずは順を追って紹介していきたいと思います!




                 目次

旅人算

恐らく、中学受験をした方でないと

この言葉はあまり馴染みのないものだと思います。

というのも、この旅人算は中学数学の方程式で代用できてしまいます。

しかし、個人的にこちらのほうが断然理解しやすいので

紹介したいと思います。

旅人算は重なる瞬間を目撃するための

根本理論ですから、しっかりと理解しましょう。

旅人算とは?

wikipediaに良さげな例があったので利用したいと思います。

太郎君は午前8時に、毎分60mで歩いて家から学校へ向かった。
寝坊した次郎君は午前8時15分毎分150mの自転車で家を出発した。
次郎君は、太郎君を途中で追い越し、太郎君よりも9分早く学校へ着いた。

(1)次郎君が太郎君に追いついたのは何時何分か?
(2)家から学校までの距離は何kmか?

旅人算とはこのように、何かが何かを追い越したりする場合

に使う計算です。

早速解説していきます。

太郎くんは毎分60mで歩いていて、次郎くんは15分後に家を出発しているので、

60 \times 15=900

から、次郎くんが出発したとき、太郎君はすでに家から900m離れていたことになりますね?

1番目の問題の追いつく時間は、この距離を何分で0mにできるか、と言う問題に帰着できます。

しかし、単純に900 \div 150としてしまうのは間違いです。

なぜなら、太郎君は次郎くんが自転車で追いかけている間も常に動いているからです。

これは、電車と電車が並走しているときゆっくり走っているように見え、

反対にすれ違うときとても速く走っているように見える現象と同じです。

このとき実は、見かけ上、次郎くんは二人の速さの差の速さで900mを詰めていくのです。

これを相対速度なんて言ったりしますね。

それを踏まえて計算してみましょう。

次郎くんが出発した時の二人の距離を二人の速度の差で割ればいいから、

900 \div (150-60)=10

よって、二人が追いつく時間は午前8時15分(次郎くんが出発した時間)の

10分後なので、二人が追いつく時間は午前8時25分となりますね。

例題

上の問題の(2)を解け。

いよいよ時計を使っていこう

では、これから時計の問題に入ろうと思います。

今回は、6時に時計の針が重なる時間を求めていきたいと思います。

まず時計の針が重なるとは長針短針がそれぞれ重なる時間のことですね。

ですから、長針、短針が一分間に何度回転するのか

知っておく必要があります。

まず短針は60分間に円の\frac{1}{12}を動きますね。

ですから、

(360 \div 12)/60=0.5 (度)

となり、

次に長針は、60分間に円を一周しますから、

360 \div 60=6 (度)

となります。

つまり、短針は一分間に0.5度、長針は6度回転するというわけです。

また6時のとき、長針は時計の12時を0度すると0度の地点

短針は180度の地点にありますね。

このとき、さっきの兄弟の例を思い出してください。

長針、短針はいずれも右回りに回転していきますよね?

ですから、実は長針は180度離れた短針を追いかける構図

になっているのです。

f:id:jamjam1229:20190308055231p:plain

つまり、先程のように相対速度を求めて割ってあげれば勝ちです。

では求めていきましょう。

180 \div (6-0.5)=\frac{180}{5.5}                          =\frac{1800}{55}                          =\frac{360}{11} (分)

はい、出ました!

時計の針は6時 \frac{360}{11} (分)に重なります!

・・・

と言ってもよくわからないですよね。

ですから、帯分数の形で表すことが好ましいでしょう。

\frac{360}{11}=32\frac{8}{11}

よって、6時に時計の針が重なる時間は6時32分強です!

と、このように時計の重なる時間が分かりましたよ!

早速ご自宅の時計でも・・・え?デジタル時計?なにそれ?

例題

4時に時計の針が重なる時間を求めよ。

まとめ

今回は中学受験で頻出のものを取り上げてみました!

時計の針なんて斬新ですよね。

みなさんも自宅の時計で試してはいかがでしょうか?

それでは!

【中学数学】"中学流"に外接円の半径を求める

好きな言葉は「写像」。どうもこんにちは、ジャムです。


今回は先日紹介した外心と関連する話題です。

(記事はこちらから) jamjam1229.hatenablog.com

先日の記事では詳しい外接円の半径の求め方は紹介していませんでしたが、

今回はそれについて紹介していきたいと思います!

高校数学であれば正弦定理などを用いるところですが、

"中学流"の求め方も是非活用してみてください!

f:id:jamjam1229:20190307051912p:plain




                 目次

使う定理・法則

三平方の定理

f:id:jamjam1229:20190307034512p:plain
wiki参照

三平方の定理とは、直角三角形の斜辺と

他の二辺の間に成り立つ超重要公式です。

上図を用いた式で表すと、

AC^2+BC^2=AB^2

という式になります。

円周角の定理

f:id:jamjam1229:20190307040851p:plain

同じ弧の円周角の大きさは等しく、

円周角が中心角の半分になると言う定理です。

上図を用いた式で表すと、

C1=C2
C1=\frac{1}{2}\angle AOB

という式になります。

またこの定理の特別な場合としてタレスの定理があります。

タレスの定理は円に内接する直角三角形の斜辺は

その円の直径となる、と言う定理です。

外接円の半径を求めるときの肝となります。

(タレスの定理は円周角の定理から簡単に導けます。)

三角形の相似条件

三角形の相似条件は3つあります。

外接円の半径を求めるのにはこの中の1つしか使わないのですが、

相似条件は3つを合わせて覚えておきましょう。

三角形の相似条件
・2組の角がそれぞれ等しい(二角相等)
・2組の辺の比とその間の角がそれぞれ等しい(二辺比侠客相等)
・3組の辺の比がそれぞれ等しい(三辺比相当)

外接円の半径の求め方

では定理が出揃ったところで半径を求めていきましょう!

f:id:jamjam1229:20190307042626p:plain

まず、いきなり補助線を引かなければいけません。

頂点Aから辺BCへ垂線を下ろし、その交点をHとします。

f:id:jamjam1229:20190307043039p:plain

その後頂点Aと中心Oを通る直線を引き、円Oの円周との交点をDとします。

f:id:jamjam1229:20190307043406p:plain

すると、直線ADは円Oの中心を通っているため

直線ADは直径であることが分かります。

そのため、\triangle ABDは直角三角形です。(タレスの定理)

また、\angle ADB\angle ACB同じ弧の円周角なので、

\angle ADB=\angle ACB (円周角の定理)

f:id:jamjam1229:20190307044116p:plain

すると、2つの直角三角形\triangle ABD,\triangle AHCは、

二組の角がそれぞれ等しいため相似であることが分かります。

相似な図形の辺の比はそれぞれ等しいため、

AB:AH=AD:AC
\Rightarrow AB\times AC=AH\times AD

ADについて解くと、

AD=\frac{AB\times AC}{AH}

ADは直径だからその半分が半径。

よって、円Oの半径をRとすると、

R=\frac{1}{2}AB=\frac{AB\times AC}{2AH}

(今回は垂線をそのまま記号で表していますが、

実際の問題では三平方の定理で垂線を出すことが多いです。)

はい、これが外接円の半径を表す式です!

少し複雑な形をしていますが、先程したように順を追って求めていけば

あまり苦労せずに求めることができます!

余談ですが、この式を変形して

2R=\frac{AB}{\frac{AH}{AC}}

のような形にすれば、

この式は正弦定理と全く同義であることが分かります。

(\frac{AH}{AC}\sin C を表している。)

例題

一つ例題を載せておきます。上の求め方を参考にして解いてみてください!

f:id:jamjam1229:20190307050748p:plain

上図のように、\triangle ABCが円Oに内接している。

AB=2\sqrt{5},BC=AC=5のとき、円Oの半径を求めよ。

まとめ

中学流の外接円、いかがでしたか?

正弦定理のほうが確かに利便性は高いですが、

こちらの求め方も十分に使える手段だと思います!

これからも、より良い外接円ライフを歩んでいってください!

それでは!

【数学】紙を折ると月に届く!?

好きな言葉は「無縁根」。どうもこんにちは、ジャムです。


今回は新しい試みとして中学数学以外の記事を作成してみました。

(まあネタが無くなっただけなんだけどね)

今回は紙を折ると月に届くという有名な理論を

紹介していきたいと思います!

あまり数学ぽくないように見えますが、

個人的に面白いと思ったので紹介してみます!

f:id:jamjam1229:20190306003640p:plain
wiki参照



                 目次

試しにやってみよう

まあこの話を聞いてやってみよう、と思う方は多くいると思います。

少なくとも私はチャレンジしました。

でも、実はどうやっても折れないんですよね、これが。

いらない紙があれば是非試していただきたいのですが、

どんな広さの紙であっても6~7回程度しか折ることができません。

でも、紙を折れば月に届くのは噓、というわけではないんです。

決して噓は言っていないのだけれども、

物理法則を完全に無視するという条件が付くため、

現実世界でそれを実現することはできないわけです。

では、どのくらい紙を折れば月に到達できるのか、

それを数学的に考えていきましょう!

数学的に考えよう

まず紙を折るという作業についてですが、

この作業はどのような意味合いがあると思いますか?

これは簡単に分かると思いますが、紙の厚さを二倍にする、

という演算がこの作業の正体です。

つまり、初め0.1mmだった紙であれば、

0.2mm,0.4mm,0.8mm...と、次第に厚くなっていきます。

これを数学的な式で表してみましょう。

紙を1回折ったとき、紙の厚さはもとの2倍になります。

紙を2回折ったときだと、2倍の2倍、

すなわちもとの4倍の厚さになります。

紙を3回折ったときだと、2倍の2倍の2倍、もとの8倍の厚さですね。

よく見てみると、もとの厚さに折った回数分2倍を

掛けていることが分かるでしょうか。

すなわち、これは次のような式に表せます。

h=a\times 2^{n}
aはもとの厚さ、nは折った回数、hは折った時の高さ。

式が出せてしまえば月に届くまでに何回折ればいいかがわかりますね!

まず、もともとの紙の厚さは、0.1mmとして換算し、

月までの距離380000000000mmとして計算します。

(桁数がおかしい.....)

すると、

380000000000=0.1\times 2^{n}
\Leftrightarrow 3800000000000=2^{n}
\Leftrightarrow n\fallingdotseq 41.789

なんと、約42回紙を折れば月に到達できてしまいます!

2桁なのは意外な気もしますね!

が行けるならば太陽にも行ける気がしてきました。

太陽にも行ってみよう

f:id:jamjam1229:20190306004846p:plain
wiki参照

先程と同様に紙の厚さは0.1mmとして、

太陽に紙を届かせるには何回折ればいいか

計算してみましょう!

まず地球と太陽の距離は約149000000000000mmです!

(この距離を1AU(1天文単位)と言ったりする。)

早速計算してみましょう!

149000000000000=0.1\times 2^{n}
\Leftrightarrow 1490000000000000=2^{n}
\Leftrightarrow n\fallingdotseq 50.404

なんとあの天下の太陽様でさえ、

紙にはたった50回折るだけで負けてしまうのです!

(太陽で紙が燃え尽きるのは置いておいて)

なんかこの調子だともっと行けそうですね。

次は観測可能な宇宙の場合を計算してみましょう。

紙、宇宙を超越する

f:id:jamjam1229:20190306004752p:plain
wiki参照

ついに宇宙を超越していきます。

まず、観測可能な宇宙の直径は、

約879847933950014400000000000000mmです。

(日本語に直すと、

87乗(じょう)9847抒(じょ)9339垓(がい)5001京4400兆ミリメートル)

では計算してみましょう。

879847933950014400000000000000=0.1\times 2^{n}
\Leftrightarrow 8798479339500144000000000000000=2^{n}
\Leftrightarrow n\fallingdotseq 102.795

もう驚きの声しか出ません。

今我々が観測できる宇宙でさえ、紙を103回程度折ってしまえば

超越できてしまうのです!

折った時の紙の広さ

当たり前ですが、紙は折り続ければどんどん小さくなります

では、先程のように月に到達するまで折り続けた

紙の広さはどうなっているのでしょう。

紙の広さは1回折るにつき、半分になりますから、

それを踏まえて計算します。

すると、紙の面積は 5.83357\times 10^{-14}m2となり、

これを正方形とすると、光の波長と同じくらいの大きさです!

(すなわち、小さすぎて目どころか普通の顕微鏡でも見えない)

太陽の場合も....と、やりたかったのですが、

恐らく原子の幅を下回ってしまいますね。

まとめ

中学数学意外のネタをやるのは初めてでしたが、どうでしたか?

恐らく、内容が薄くなってしまってると思います!

今後はこういった記事も投稿していきたいと思いますので、

よろしくおねがいします!

それでは!

【中学数学】指数が0とは何を指しているのか

好きな言葉は「反例」。どうもこんにちは、ジャムです。


今回は数Ⅰの内容ですが、知っておくと便利な指数のお話です。

中学校で習う指数の定義だと指数は1以上が基本です。

しかし、それでは計算スピードに限界が生まれてしまいます。

そこで今回は、指数が0であることの意味や、

それに関する法則を紹介したいと思います!

f:id:jamjam1229:20190305033307p:plain


                 目次

指数法則

まず指数を語る上で欠かせないのが指数法則です。

これも数Ⅰの内容ですが、とても便利なので絶対に覚えましょう。

指数法則とは

まずはこちらの例から。

a^{5}\times a^{3}=a^{8}

これは特に問題はありませんね。

中学校で習うようにa^{n}an回掛けることですから、

a^{5}\times a^{3}=(a\times a\times a\times a\times a)\times(a\times a\times a)=a^{8}

というふうにできますね。

ここで見方をを変えてみると、a5回掛けたものとa3回掛けたものとで

合わせて8回掛けていることがわかりますか?

これはこの場合だけでなく全ての場合において成り立ちます。

ですから、下のように一般化できますね。

a^{m}\times a^{n}=a^{m+n}

am回掛けたものとn回掛けたものを順に掛けたのですから、

m+n回掛けたことになるわけです。

これも指数法則の一部ですがこれの逆も存在しています。

その例がこちらです。

a^{4}\div a^{2}=a^{2}

これも先程のように分解していけば自然なことだとわかります。

\frac{a\times a\times a\times a}{a\times a}=a\times a

分数の形で表せば、a\times aの部分が約分されて、

残りのa\times aの部分だけが残るということがわかるでしょうか?

これも先程のように見方を変えれば、

指数が約分されることによって引き算になっていることが分かります。

これも次のように一般化できます。

a^{m}\div a^{n}=a^{m-n}

これらが所謂指数法則です。

他にも指数法則はありますが、今回は前述の2つを使っていきます。

例題

この法則は非常に重要なので例題で確認をしましょう!

(1)a^{5}\times a^{2}\div a^{3}

(2)3^{384}\div 3^{382}\times 2^{2}


解答

(1)a^{5}\times a^{2}\div a^{3}=a^{5+2-3}=a^{4}.

(2)3^{384}\div 3^{382}\times 2^{2}=3^{(384-382)}\times 4=36.

指数が0の意味

いよいよ指数が0とはどういうことか解説していきたいと思います。

先程の指数法則の引き算の方を使います。

a^{m}\div a^{n}=a^{m-n}

この公式に着目してみると、m=nの場合、m-n=0となって

指数が0になるような気がしません?

a^{m}\div a^{m}=a^0

ここで式を再確認すると、左辺で同じ数を同じ数で割っていますよね。

すなわちこれはmがどうであれ、aがどうであれ1なんです。

a^{0}=1

つまり、数によらず、

何かを0乗するということは1を意味しているんです。

決して0乗しているからと言って0にはなりません。

同様に、拡張して指数が負の場合も考えることができます。

a^{-m}=\frac{1}{a^{m}}

おまけ

今回紹介しなかった指数法則を用いると、指数が分数のときも考えることができます。

(a^m)^n=a^{mn}

今回は試しに\frac{1}{2}乗を考えてみましょう。

上の指数法則を用いると、

(a^{\frac{1}{2}})^2=a^1=a

すなわち、

a^{\frac{1}{2}}=\sqrt{a}.

平方根が出てくるのは意外だったと思います!

また、これを一般化して、

f:id:jamjam1229:20190305031701p:plain:w100

というふうにできます!

まとめ

指数を拡張した表現を紹介しましたが、うまく理解していただけましたか?

今回の話はかなり有名な話なので、知ってる人も大勢いると思います。

前回の記事に本気を出しすぎて記事が短めになってしまいましたが、

引き続き数学に関する投稿をしていきたいと思います!

それでは!